新型コロナウィルスの影響が拡大していた2020年前半、ロックダウンによるジムの閉鎖やソーシャルディスタンスが広まったことで、個人で運動管理ができるフィットネスアプリのダウンロードは、世界的に50%近く増加したと言われています。
フィットネスアプリは、パンデミックを経てより身近になりました。
大手企業も健康志向の上昇に対応しています。AppleはアップルウォッチにFitness+ アプリを追加し、AmazonはHalo(ヘイロー)のフィットネスバンドの立ち上げ、GoogleはスマートウォッチのFitbitを買収しました。
各社がスマートウォッチに注力するのは必然とも言えます。常に腕につけられ、スマホと連携しながら、歩数や心拍数、ストレスレベルや睡眠の質まで記録できるからです。
便利なフィットネスアプリですが、自分の情報を共有しすぎていませんか?各スマートデバイスで記録された個人の健康データが、企業にどのように扱われているのか、気になりませんか?
アプリによっては安全対策が不十分なことも
カナダの学術機構とトロント大学が行った研究で、ハッカーがフィットネスアプリの送信データを閲覧または改ざんできることがが報告されました。
この報告書「Every Step You Fake」は、大手テック企業にプライバシー強化を促し、フィットネスアプリの脆弱性に警鐘を鳴らすことになりました。
研究チームは、「消費者は、フィットネスアプリのトラッキング(追跡)システムのプライバシーとセキュリティの実態を知る権利があるはず」と訴えています。
そこで、どのフィットネスアプリでも共通にできる利用上の安全対策をご紹介します。
1. プロフィール作成には別名を使う
どんな個人データが企業に送られているのかは、多くの場合曖昧です。個人のプライバシーを守るために、ExpressVPNは別名のプロフィールをフィットネスアプリ用に持つことをおすすめします。また、Bluetoothをオフにすることや、アプリに強力なパスワードを設定することも、トラッキング対策に有効です。
2. アプリの利用規約で企業のデータ利用範囲を確認する
ランチを買いに行った時の歩数を企業が把握するのはある程度許せるとしても、激辛ラーメンを食べた後に、胃腸が不規則な活動をしたことまで企業にシェアされていたら?これは大袈裟かもしれませんが、企業がアプリを通じて収集できるデータの範囲を確認し、選択できるのであれば最小限に止めることをおすすめします。
3. プライバシー設定で公開範囲を制限する
今日どのくらい運動したか、アプリで共有し、アプリ利用者から「いいね」をもらえるのは大きな達成感があります。しかし、いつ、どこで、どのくらいの時間過ごしたかの情報を、悪意のある第三者に悪用されないとも限りません。フィットネスアプリによっては、利用者の地図を一覧で表示して、名前やプロフィール写真まで見えるものもあります。アプリをインストールしたら、デフォルトのプライバシー設定を鵜呑みにせず、まず公開される情報を自分でチェックする癖をつけましょう。
4. フィットネスアプリを最新版に保つ
アプリのアップデートは面倒ですが、アップデートされるのには理由があります。その多くは、セキュリティ上の欠陥対応か、新機能の追加です。どちらにしても、数分でできるアップデートを怠らなければ、重大なプライバシー漏洩被害を防げる可能性が高いでしょう。
5. 定期的に自分の記録データが正しいか確認する
先にお伝えした研究報告書では、調査チームがアプリに偽のデータを作成させることができたことも伝えています。自分のデータが偽のデータにすり替えられていたら、フィットネスアプリを使う意味がないですよね。自分のデータが正しいか、定期的にチェックすることをおすすめします。
6. VPNの安全なネットワークを利用する
フィットネスアプリをスマホで利用しているなら、VPNでセキュリティ&プライバシー対策をするのも効果的です。ExpressVPNは30日間返金保証付きなので、実質無料でトライアルできます。
健康維持とプライバシー保護
フィットネスアプリは便利なものです。プライバシー設定を確認し、上手に利用しましょう。
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